決済(所有権移転・引き渡し)まで3週間と時間的にはまだ先だが、最初の年からある程度の収穫を上げたいという人情からすると、その後の時間はあまり多くはない。まして、いろいろ夢や空想がふくらんでいるから、整理をしておかなければならない。と、効率から考えてしまうこの習慣が、これからの自然相手の生活にはあまり合わないのではと思いつつも、ついつい考えてしまうのはサラリーマン生活を続けてきた結果の悲しい性だ。



 入植後最初にやらなければならないのは、資機材のチェックである。一応売り主さんと農業機械などはそのまま引き継ぐ約束をしているのだが、色々な道具が収まっている納屋も最初に一度ちらりと見ただけ。たしか農業用機械は4台くらい置いてあり、うち一台はヤンマーのウルトラポチという機械だったこと、田植え用のパレットがあったから田植機があるんじゃないかということ、エンジンの刈払い機が2台あったこと、という程度のアバウトな認識しかないから、びっくり箱を開けるようなものである。細かいものも含め何があるかを確認することは一番目の仕事だ。続いて、ちゃんと使えるかどうかも要確認である。



 次の仕事は、竹や木の伐採である。これについては竹藪退治 その2で触れたが、この作業の続きは果樹の苗木を購入して植え付けることになっていく。何しろ初めての作業だからどのくらいの手間・時間がかかるかの見当もつかない。一方で、伐採した樹木や竹の始末(基本的には炭にする予定)があるが、炭焼き窯をどうするかを含めて当面の仕事が終わるまで見送りになるだろう。



 その次は敷地の測量となる。元々田圃だった土地は埋められて畑地になっているが、それを田圃に戻していく方向で考えている。少なくとも1年目は自然農法の採用を検討中だが、この方法では常時潅水状態にする必要はなさそうでも、時々特定の目的により水を入れることが必要らしい。また、敷地内に農業機械を走らせる通路を考えることも必要。更には田圃と組み合わせてビオトープを配置し、水棲生物の居場所も考えよう、などと色々なイメージはふくらんでいるので、その基本となる高低測量をやらなければならない。



 以上が、インフラ整備に関わる当面の実施事項。インフラというと、実は用水の話もあるんだが、西側を流れる養老川の水を汲み上げていたポンプが残っているはずで、一番最初の確認の中にそれを含めておこう。