挨拶回りをする中で、何件かのお宅から昔の成り立ちを聞いた。このあたりは、終戦後(戦時中という話もある)に開墾地として開かれ、現在の皆さんの先代あるいはその前の方々が入植されたらしい。山間の(おそらく2町歩/戸程度)土地を開くのは容易ではなかったはずで大変な苦労をされたと思うが、その中で家族のような付き合いができていたんだろうと推測された。
 私の家の先々代の持ち主はそうした由来の方だったようだ。納屋に入って色々みてみると、農業機械も含め欲しいと思うものは大抵揃っている。ほこりだらけだがきちんと整理されていた様子が見て取れる。一度お目にかかってみたいものだと考えたが、8年ほど前に息子さんの家に移られたあと、数年前に亡くなられたらしい。残念なことである。
 最寄りの駅から10キロ、最も近い商店やコンビニも同じくらい離れているのにバスもない、というこのエリアでは年配の方はとても住みづらい。来てみると自然環境も人の和も素晴らしいと思うのだが、何とかそういったものを存続させる方法はないのだろうか、と感じさせられた。