家には26坪程度の納屋と5坪程度のスチール倉庫が付属している。引き渡し時点で後者は空となっていたが、売り主さんとの約束で納屋に入っている農業機械や道具類のほとんどはそのまま引き継いだ。いずれも10年近く陽の目を見ずに保管されたままだったようで、ホコリが積もり年季もたっぷり入っている。だが、きちんとしておられたらしい先々代さんは、もの別に整理されているし、素晴らしいことにこんなものがあればいいんだがと感じるもののほとんどは入っているという感じだ。
 道具については、鋤・鍬・スコップなどの農具、のこぎりやトンカチ等のものをつくるためのもの、農業機械のメンテ用、出番はこれからだが農業用のいろいろな資材などが置いてある。もちろんお約束の臼と杵もある。これだけいろいろなものがあるとそれだけで間に合うことが多い上に、必要なものそのものがなくても工夫で代替するケースもとても多い。農業とは工夫だということをこんなところでも感じている。
 26坪というと狭い家1軒分くらいの広さだが、多くの資機材を入れようと思うと、決して広すぎることはない。高さも結構あるから、小屋裏までいろいろなものが収納されている。こういう広い空間もなかなかいいものだと思う。田舎の農家ではこうした納屋がつきもののようだが、なくてはならない存在なのである。おそらくこの納屋は40年くらいは経っていると思うが、トタン葺きの屋根は寿命を迎えている。近所の大工さんに頼んで、ガルバリウム鋼板で葺き替えるように頼んだ。