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 この家は昭和の雰囲気が漂うもので、かなり気に入っている。昔ながらの瓦葺きもいいが、南と西側の広めの廊下などもうれしい。襖や板戸・障子などを開けると大きな部屋になる柔軟性は、夏になるとおおきなメリットだろう。だがしかし、その引き戸類の数が多いことには驚かされた。反対に壁はきわめて少ない。
 極端な例がこの部分、大黒柱のあたりだ。
 
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 元はきっと昔の玄関からつながる土間の一角でかまどなどがある台所を支えていたはずの大黒柱は、いまはちょっと中途半端な位置にある。つながっている壁がない上に、3方向から引き戸がぶつかってきている。これはかなり珍しいプランだと思う。

 
 
 その隣にこれまた不思議な状態がある。同様に3方向から引き戸がぶつかっているのだが、今度は交点に柱がない。どちらかというとこちらの平面の方が特殊だろう。Tの字の上側にある部屋からは、ガラス戸の左側・右側を開けた場合、それぞれは別の部屋につながっているわけだ。このあたりは善し悪しは別としてなかなか面白い。

 
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 まだ冬の生活しかしていないのだが、本拠地の横浜の家(40年以上経っているRC造の戸建て住宅)と比べると不思議に暖かい。何もしなければすごく寒いんだが、そんな戸だらけの部屋でもヒーターが意外に効く。10リッターも入る灯油の大型ファンヒーターが強力なせいかもしれないが、温度がすぐに上がり、そのあとも横浜の家よりはむしろ冷え込む感じがない。コンクリートと木の熱容量の違いだろうか。