「田んぼ造りの総括」の続編である。それは造ったプロセスを整理したものだったが、今回はできあがりそのものを振り返ってみることにしよう。
 
 傾斜している草原を棚田として造成するという大仕事だったこともあり、田んぼのディテールには不満がかなりある。それをちょっと整理してみる。
① 全体的なレベル差がある。
   元々は南から北への大きな勾配と東から西への小さな勾配があった土地だが、
   南北のレベル差は棚にして解消したけれど、東西の方はちょっと残ってしまった
   感じである。深さの違いは数センチといったオーダーでも田植えの時の植えやすさ、
   その後の水管理などに影響する。4号などは深すぎて一部植えるのを見送った
   ところもできてしまった。来年までに改善する必要がある。
② 田んぼの底のレベル差がある
   これも田植えをやりづらくする原因になる。植えた後の草取りなどの作業にも
   影響するのではないかと思っている。これの主な原因は耕耘機作業だ。
   使用しているウルトラポチという機械は乗用型で手頃な大きさでいいのだが、
   均したり水平にしたりすることは得意でない。また、田んぼで使うと轍が残る。
   田んぼに乗り込む場所は、回数が多いほど轍が重なって深くなってしまう。
   今回はユンボで粗均ししたあとの均平作業の多くをあまり得意でないポチに
   依存したため、底はガタガタになってしまった。とくに東側のへりから2m~3mの
   ところ、ちょうどポチが降りる鼻先のあたりは長靴ぎりぎりの深さになっている。
   秋以降、どのように水平にするかという作業の基本を考えて田んぼの底の状態も
   改善したい。
③ 断面の設計
   ②とも関連するが、田んぼの断面をどうしていくかをもっと考えなければならない
   だろう。②で底といったのはかなり硬い底のことであり、耕盤あるいは鋤床と
   いわれたりするものだ。当方の田んぼでは、ユンボで踏み固めた硬い層ができて
   いて、不透水層になっているんじゃないかと思うが、ポチの轍が荒らしたのは
   まさにこれだ。更にその上に作土といわれる実際にイネが根を張る層があり、
   この表面に近い部分はトロトロになっている方がいいらしい。と考えると、断面を
   どうしていくかの設計が必要だろう。
④ 平面的な煮詰め
   白紙の状態から、車両動線や畦のスペースなどを考えてレイアウトしたが、
   できてみると無駄な部分が多くて有効比率が低い。水温確保のための溜め池に
   できる場所や、害獣防止柵を設置するスペースを考える必要はあるが、それでも
   もう少し田んぼの面積を増やせそうだ。これも検討課題である。
⑤ 畦の成形
   ユンボの排土板で押しつけたまま畦になった部分がかなりある。キャタピラで踏むか、
   少なくともバケットで押さえるくらいはするべきだったが、できなかった。崩壊した
   箇所もあったし、これは時間に余裕のあるときに少しずつやらなければならない。
 
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 田んぼ自体についての反省点はこのくらいだと思う。あと、ハードウエアとしては配水計画の見直しがある。ソフト的な面では、どういう農法でやるか・苗をどう作るか、肥料をどうするか、といったことについて複合的な検討が必要だ。今年、収穫できるのかどうかもまだ見えないが、結果を見ながら考えていくことになるだろう。