いろんなことを反芻してみると、ワイヤーをネットに絡ませればいいというのはかなり安易な考えだった。このやり方だと、一応絶縁性はあるはずのビニロンのネットではあるが、百メートルある網の、縦糸との接点だけでも1万カ所というようなオーダーだし、線状に接触しているところもあるからワイヤーと接触する箇所は無数にあるといっていい。数千Vの高電圧だからリークする電流の総和は馬鹿にならないだろう。
 と考えると、少ないポイントでワイヤーを支持する方向で見直す必要がある。電気柵用の碍子も売られているが、当初は網に絡ませればいいだろうと安易に考えていたからよく調べていなかった。今は選んで注文している時間がない。いつもそうなんだ。今朝も電車の中で考えてきたが、プラチックの洗濯バサミがいいんじゃないかと思いついた。柵の支柱は一部に8分の晒し竹も混じっているが、基本は21ミリ径の農業用ポールである。これの適当な高さの部分をピンチで挟み、ピンチの穴にワイヤーを通せばいい。これで支持箇所数は30程度に激減する。場合によっては、ピンチをポールに接着したり、あるいはさらに絶縁性の高いものを挟んで性能を上げるということも可能だ。ピンチとワイヤーを結束バンドでつなぐとさらに絶縁性が高くなるかもしれない。このあたりは検電器でチェックしながらいろいろやってみるのが良さそうだ。となると、安くて種類の多い百円ショップで適当なものを探すのがいいだろう。
 また、先週末の段階ではワイヤーはトタン直上の1段に留めていた。網の上端のワイヤーを生かすと電圧が低下して降下がなくなるため止めていたわけだが、このような支持方法で絶縁性の確保ができて電圧が上がれば、猿よけの最上部ワイヤーも生かせるし、敷地全体を囲うことも可能になるはずだ。ということで、ワナとは別の防御対策も進展しそうである