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 真夏の頃には田んぼの方に出て行くとスズメの群れがパーッと飛び立ったものだったが、収穫時期が近づくにつれその姿を見なくなった。だから、黄色くなった田んぼに防鳥ネットを張るのも1号の半分だけで済ませた。どうもうちの米は美味くないんじゃないかという気掛かりが心の底にはあった。

 ところが、刈りとって天日干しをして待つ間も惜しく脱穀などの一連の作業を終わらせて食べてみると、自分でいうのも申し訳ないが相当美味い米であった。本当のところは、今まで食べた米の中で最高だと思っている。田んぼでのできあがりは、ちょっとヒョロヒョロッと貧弱で栄養不足に見えた。そりゃそうだ、ずっと草原で放置されていたということで肥料は入れられず草よけの米ぬかを撒いた程度、農薬はゼロという環境で稲たちは水と日光のみで米を必死で作ったんだろう。

 このところ、ご近所さんたちも以前にも増していろいろ気にしてくれる。何も知らない素人が一所懸命やっているけれどうまくいくのかねえ、という心配や興味もあったはずだし、そんな中でよくやったと思ってくれていることも間違いはないだろう。それはとてもうれしく感じてはいるが、やっぱり稲という不思議な植物がすごいと思う。苗の育て方のミスにより、今年はプロの4割程度しか獲れないと思うが、それでも稲たちはずいぶん健闘したと思う。そろそろ来年用の籾を取って子孫を残す手伝いをしなければ。

 まだ米になったものは4分の1程度、今週末は先週刈り取ったやはり4分の1を脱穀して玄米にしたあと、残りのほとんどを刈り取るつもりだが、どうやら天気が悪そうだ。イノシシは確実に狙っていると思われるので、ぎりぎりの状況の中で柔軟な対処が必要そうだ。(また休みを取らざるを得ないかも)

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