慌ただしく作った割に田んぼのシステムはそれなりにうまく機能して、とうとう本当の米を作ってしまった。しかし、獲れたといっても標準的な単位収量に比べるとかなり少ない。冷静に考えるといろいろと改善しなければならない問題の所在に気づく。そうしたことを整理して、この秋冬の間に片付けなければならない。
 
 まず第1の課題は、田んぼの土と肥料の問題である。これは一見別の話のようにも思えるが、一応有機栽培にこだわっていることもあり、この2点を関連した話として受け止めて検討するつもりだ。 第2には田んぼのレベルの問題がある。3月下旬の造成工事のあと、結局4月いっぱいは田んぼを水平にする作業に追われたが、不十分なままで田植えに突入し、後々の問題につながった。半年間の湛水で土も動きいくらかは改善したと思うが、確認して不十分なところは直さなければいけない。第3は田んぼの平面的なレイアウトの見直しである。4枚の田んぼの周囲には無駄なスペースが多い。また畦もガタガタであり、畦を歩くのはいささか苦痛だし、畦ももっと綺麗に狭くして田んぼの面積を増やしたい。第4はその畦である。3号の畦は2回決壊しているが、無駄に広くて整形でないことに加えて弱いという弱点もある。造成時にさかのぼると、ユンボで盛り上げただけに近く、転圧などをちゃんとやらなかったところに大いに問題がある。そのあたりをきちんとやり直さねばならない。第5は配水計画、ポンプには結構泣かされた。ただ、雨がかなり多かった今年は、電力を使って川の水をくみ上げた量は1割程度で済んでいる。毎年そうはいかないはずで、沢水の安定度を上げる工夫がいる。第6は害獣防止計画だ。これも苦労の連続だった。植える前の苗の段階で上部を食われたり、植えてからも食われたり倒されたり、シカには泣かされた。これをなくすと稲もかなり健全になると思う。
 
 もちろんこうしたこと以外にも問題はある。たとえば苗の作り方、田植えの時期、中間で水を抜くのか、刈り入れ前の落水のタイミングはいつ?。こうしたソフトも課題だがとりあえずはハードの問題点を整理する。

                                   つづく