今年の2月から、基本的に田んぼに力を入れてきた。勘定奉行の領分である畑には田んぼの2割程度の力しかかけられなかった。本当は獣害対策という別の軸があることは何回もいっているが、それも併せて考えると、田んぼ:ケモノ:畑:その他=4:4:1:1というところだろうか。

 一段落した今いろいろ計画を練り始めたが、これまでの延長の田んぼばかりではなく、山のエリアの開発もメニューに入れようと思っている。前にも整理したことがあるが、敷地の半分は山を含む傾斜地になっており、孟宗竹が密集した竹藪、これも間伐が必要な杉林、雑木林、それに岩ツツジが植えられた斜面となっており、いずれも樹木や竹が密集した状態で、荒れているといわざるを得ない。一部にエビネなどの山野草が生えているエリアもあるが、全体的に大鉈をふるって、少しは日が射し込み風が通る環境にしようと思っている。
 タケノコは現状でもずいぶん穫れるけれど、竹藪の広さはかなりのものであり、手を入れれば相当な収穫は期待できる。先住者さんから引き継いだ椎茸のホダ木はもう寿命を迎えているので、雑木林の間伐材から次の世代を作ることも必要となっている。ということで、生産力の拡充というところが一つの眼目である。
 また、山のエリア全体がケモノたちの領分になっているという現実がある。今年作って一定の成果を上げた防獣柵は、山と田んぼエリアの間に設置している。今年は山までは手が回らなかったというのが実状である。だから、山をもっとすっきりさせてケモノが居づらくなるように整理して、こちらの手に取り戻すことも大きな目的だ。
 会所から清澄にかけては山蛭の名所だが、血を吸われながら蛭をばらまいているシカの行動範囲と蛭の居場所は一致するのである。今年の防獣活動で耕地からシカの居場所をなくしつつあるので、結果として山蛭もみなくなりつつある。それを山まで拡大するのも目標とするところだ。

 ということで、3月の稲作起動までは、時間があれば樹を切り、竹を切りということになる。切った竹や樹はやっつけ仕事で作った防獣柵の補強材に使う予定。もちろん、田んぼも畑も放り出すわけにはいかないが、ゼロから始めた今までとは違うだろう。