敷地内の通路には傾斜しているところがある。日が当たって霜柱が溶けると長靴を履いていても滑りそうになることがある。そんなときに便利なものがワラむしろだ。納屋から出してきて敷くと良好な滑り止めの仕掛けになる。前の出番はバインダーが田んぼに刺さったときだった。むしろをタイヤの先に敷いてみんなで引っ張り出した。
 納屋の中には、先々代さんが買ったと思われる何枚かのむしろが掛けてあり、最初は虫でも涌いてきそうで燃そうかと思ったくらいだが、この古来の道具には思わぬ効用がたくさんありそうだ。もう過去のもので新規に入手することなど無理だろうと思っていたが、調べてみるとまだ売っている専門店のサイトが見つかる。薄いもので315円/枚、特厚で840円/枚といった価格がつけられている。買えると思うと安心だが、あるヤツを大事に使うことにしよう。
 うちの場合は、コンバインなんていう高等な機械は使わず、バインダーで刈り取って天日に干すからワラは普通にあるが、今は刈り取ってその場に切り刻んで捨てるという方が普通らしいから、世の中にはワラ自体が少なくなっているようだ。しかし、中国や東南アジアから金を掛けて輸入するようなものでもない。むしろのように手間を掛けたものでも同様に感じる。なんだか売っている間にひと山買ってため込みたいという気分である。