せっかく考えた数量モデルなので、一応いろいろ使ってみたい。下のグラフは昨年1月以降の推定値推移を1年分プロットしたものである。5立米/時以上は現在の配管のキャパシティを上回るため割愛してある。
 昨年の用水管理の結果では、田んぼの吸水量はかなりばらついており、6月頃は100立米/日を上回っていたが、7月頃からは50立米/日程度から20立米/日台の時もある。比較的低位安定の7~8月の平均でいうと40立米/日位であり、時間単位では1.7立米。ただ、面積が4割以上増加したことや、比較的大きな池を最上流に配置したため、2.5立米/時が一つの基準値だろうと認識している。グラフでは1.5立米/時を下回った期間を要注意期間としてオレンジ色でマークしてある。要注意期間となったのは、4月上旬の田植え準備期間、5月末(梅雨入り前)、7月から8月は3回ほど、あとは9月末の稲刈り前である。期間は長くても7日程度だから、その前が満水状態でさえあれば干上がるまでには至らないだろう。ただ、天候不順であった昨年と同じようになるとは限らず、川水での補完は考えておく必要がある。ただし川水は3号に入るため、1~2号は沢水のみでまかなう必要はある。
 実際に計測した結果見比べながら作ったモデルの予測値だが、実は感覚的とはかなりずれている。計測結果の方が少ないのである。これは、沢水を持ってくる配管系のトラブルが多かったためといっていいだろう。別途検討を進めている取水装置の改良により、流れている量をちゃんと取り込めば、面積増はあったにしても川水に依存することは避けられるのではないかと思う。

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