うちの畑ではマルチはあまり使っていなかった。なぜかはよくわからないが、勘定奉行兼畑奉行があまり好きではないらしく(理由としては播いたり定植する際に面倒だから、ということか)、私が気づいたときにはもう終わっているということが大変に多かった。
 その風向きが変わりはじめたのは今年の落花生である。落花生というヤツは、実は当家では立場が微妙なのである。畑の作物ではあるが、畑奉行は特に関心を持っておらず、私が積極的に植え付けなければあっさり見送られる感じがする。しかし、昔から南京豆にはこだわる私は、畑の面積もある程度確保し、有無をいわせずの形でタネをまいた。私は、普通に売っているような中国の落花生じゃない美味いヤツをいっぱい食べたいのである。
 去年は250平米くらいは播いたんだが、野ウサギにやられ(今考えるとシカも食っていたかも)、壊滅的な打撃を受けた。今年は第1第2農場合わせて昨年並みの面積を確保し、さらに第1農場の分の3分の2はマルチをかけた。これがとてもすばらしい効果を上げ、近所のプロを上回る生育状態となっているのである。また、成育状況だけでなく、雑草取りの手間も比較にならないほど容易。
 畑奉行もようやくそれらの効果を認めたらしく、これからはマルチ使用を検討するといっていた。まあ、せいぜい数十㎡の市民農園時代の感覚が抜けていないと思われるので、厳しくチェックしなければ。私も今度の長期休暇中の草取りにはまいったのである。