子供の頃は、町(目黒区)の中をドブ川が流れていて、その中に赤い小さなミミズやそのボール状の固まりを見かけたものだった。金魚の餌としてもポピュラーなものでもあった。イネの勉強を始めてから、このイトミミズが田んぼに発生すると雑草よけになることを知り、去年の田植えのあと期待してみていたのだが、5月頃に発生が確認できた。
 この生物は、底の泥を食べて中に含まれる有機物を餌として糞を水中に出すらしい。このトロトロした土(フン)が田んぼの底に溜まり、雑草の種を包むため発芽を抑制するようだ。更に、最近読んだ本「究極の田んぼ-耕さず肥料も農薬も使わない農業」によれば、そのトロトロ層は肥料としても優れており、状況によっては水を落としてイトミミズの仕事を辞めさせないと窒素過多になるなどということも書いてあった。この本については、またあらためて触れることがあるかもしれないが、とにかく今考えている「生き物とともにコメを作る」コンセプトにはピッタリ合うのである。
 ところで本題に戻ろう。実は今年の田んぼにはイトミミズがいなかったように思う。腰を落としてじっくり見ないとわからないほど小さいが、今年は草取りも結構やっているけれどみていない。発生しなかった原因はこれから検証していくが、とりあえずの来年に向けた準備として、すでに水を張ってある4号に加えて1号にも水を入れて、冬期間の湛水を行うことにした。更に、両方の田んぼには米ぬかを撒くことにして、木更津農協に10袋注文した。田んぼは、1号と4号が冬季湛水、2号は野菜畑、3号は菜の花畑という形で冬を越すことになった。
 イトミミズが育たなかった原因で気になるのは、田植えの直後に撒いた米ぬかである。これを撒くことによって田んぼの土が還元状態(つまり酸素不足)となり、草が生えないというものだが、イトミミズも酸素不足で育たなかったんではないかとも考えている。これから冬に向かうから今から増えるとは思えないけれど、春の立ち上がりを早くして、そのトロトロ層をできるだけ早く作ろうと考え始めている。