いろいろな車と付き合ったから、何からはじめるかはちょっと迷うところだ。最初に乗ったくるま、最後に乗ったくるま(まだ最後じゃないけれど)、いろいろな切り口は考えられるのだが、ずーっと振り返ってみて一番くるまとの付き合いが密だったと思える時期のものから始めようと思う。

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 一枚の写真がある。1995年というと15年前だ。40代半ばの私の隣にはスバルインプレッサWRX-RAがあるが、実はこれ仕事場に納車されたその時にセールスマンが撮った写真なのである。息子が免許を取ったのもこの頃だと思うが、19万キロくらい走ったこれの前のくるま(ユーノス・ロードスター)を息子に回し、私が乗る新しい車を買ったのである。この2日後が誕生日だがとてもうれしい誕生日プレゼントというわけだ。
 前のロードスターを買ったのは、発売になったときだから1989年、その後約6年で19万キロも走ったのはかなり多い。というのは、買ってから転勤になり電車では時間がかかるという理由で通勤に使用していたからだ。本当の理由がそんなことだったかどうかは忘れたが、こんなクルマで通勤できたのだから、古きよき時代といってもいいだろう。そういう状況だから遠慮したというわけでもないが、今度はずいぶん(見た目は)地味な車にした。大昔から欲しかったスーパーセブンにしたかったのだが、さすがにそれで通勤というわけにはいかず、無難な線を選んだのである。
 このクルマは本当にそっけないクルマだった。たとえば窓はパワーではないし、オーディオもない、エアコンも。もちろんオーディオとエアコンはつけたけれど。いわゆるスタンダード仕様なのである。ただ、ミッションとかエンジンの一部とか、走るためのメカは標準よりよいものを使っていた。RAとつくこの型は、ラリーなどの特殊車両のベースになるようなものだったのだ。馬力は当時の最大280HPには及ばない260HP、しかし比較的コンパクトで軽いセダンには十分なパワーだった。貧乏人のGTRなんていう評価もあったようだ。フルタイムの四輪駆動だったから、その気になって発進すると、圧倒的に静かにそして速く先頭に立てた。そんなことはめったにやらなかったが、とにかくこの地味で速いセダンは、今思い出してもかなり懐かしいし、実にいいくるまだったと思う。このクルマには大体10万キロくらい乗ったはずだ。
 
(2)に続く