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    入居前、田んぼを造成する前の状態

 当農場の田んぼは、入植した2009年の冬から春までに傾斜地を階段状に造成したものである。2001年ごろまでは、前所有者のそのまた前の所有者が田んぼとして使用していたものだが、所有者変更後農業自体が行われず、単なる傾斜した草原に退化していたのである。

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    11日間、バックホーを借りて自分で工事を行った(2009/3)

 昔の航空写真を見たところでは、以前の田んぼは3段の棚田であった。終戦後に開拓民として入植した前の前の所有者が国有林跡を切り開いて作ったものである。私の場合は、3枚にするか4枚にするか迷ったのだが、田んぼ間のレベル差を少なくして崩壊のリスクなどを小さくしたいと考えたので、結局4枚の田んぼにしたのであった。

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    当初は黒線が田んぼ、2010年正月の改修で赤線部に拡大

 2009年3月に第1回目の造成を行ってイネを1サイクル育てた後、2009年暮れから去年の正月にかけて再度造成をして田んぼの面積を拡大している。この作業では、田んぼ間の土手や畔の幅を絞っており、田んぼの正味面積は1,320㎡から1,923㎡に約46%増えて、一応の成功だったと思っている。

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    4号の北側を拡幅している(2010/1)

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    2010年正月改修の計画断面だが、実際には法面の角度はもっと急

しかし問題もあった。去年のイネ刈りのころからイノシシが田んぼに入り始め、田んぼの間を行き来するようになったせいで、畔や土手が痛んでしまっている。場所によっては、土手にケモノ道のような駆け上がった跡が残っている。現在のところすぐに崩壊するというほどではないけれど、今シーズンに入って満水状態となってから大型獣やモグラなどにやられた場合には、被害を受ける可能性もある。
 今のところ、土手の補修については畔の漏水防止作業と合わせて4週末程度の手間を見込んでいるけれど、本当は石垣でも積んで恒久的なものとすることも必要かもしれない。例の本の第2章は「石を積み敷地をつくる」で、そこまで読んだらそんなことが頭に浮かんだ。読むに従い仕事が増えるかな。
 ただ、現在の敷地内ではほとんど石積みの箇所は見当たらない。開拓した人は、農業の傍ら土方仕事もやっていたようだから、あって不思議はないのだが。一部庭木の足元の段差に使っているのは、どこかの余りの石を持ってきたもののようだ。材料としての石の調達が難しいという可能性もある。

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    最初の整備後の田んぼ(2009年の収穫後)