2年と少し前に田んぼを復活させたが、田んぼに必須の水については、付近の山から流れ出る沢水と農地の下を流れる養老渓谷からの揚水を組み合わせるという方法、以前の持ち主の時代に使われていたものを継承することにした。しかし、実際に田んぼをやってみると、いずれも貴重な手段であり、ラッキーであることが解ってきた。
 沢水については、近くの山の水源地に設置してある堰から、塩ビ管を経由して流れてくるものを使うという単純なものだったが、川の水についてはボロボロのモーター(5.5KW)と古めかしいポンプが残っており、基本的にはそれを活用しようと考えた。ご近所の米作り農家に聞いたら農協に頼むといいよという話で、農協にポンプをみてもらったらモーターの交換でポンプは活かせるという話だった。ポンプ本体は相当ボロボロだったから半信半疑だったが、とにかく動力線を引いてモーターを交換してもらったら水は出たのである。1号田んぼまで敷設してある配管そのものを使い、4立米/毎時程度であった。
 量的には決して十分ではなかったが、それより大きな問題があった。ポンプの形式上の制約で呼び水を入れる必要があったことだ。休日しかいないため、電源には週単位のタイムスイッチをつけているくらいだったので、人がいなければ使えないポンプでは問題があった。そうした希望は伝えておいたのに、そのままで使えるといった農協の態度にも問題があり、また取付精度の不良に起因するベルトの外れなども発生し、方向の転換を考え始めた。
 そこで、中古の水中ポンプを探し始めた。レンタル会社などにもあたったけれど、ヤフーオークションで1.5KWの新古品が比較的安価で出ていたため、一応2.2KWクラスを探していたがこれを購入した。しかし、この出力不足がさっそく問題となった。これまでの配管では上がってこないのである。仕方なく、最高部を下げて配管ルートを変更し、使えるようにした。約2シーズンの間この形で運用してきたが、水量についてはばらつきがあり、2.6~4.6立米/毎時といった計測結果が残っているが、大体4立米/毎時程度だったと思う。この数字は、沢水の最大流量とほぼ同じである。ただ実際のところは、これまでの2年については沢水で9割以上が賄え、川水はほとんど出番なしという状況が続いていた。
 今年になってから、これを見直さねばならない状況が発生した。渇水状態である。ほとんど雨が降らなかった1月以降、沢水の量は0.5立米レベルまで低下し、少々の雨でも増えなくなっている。これまでの2年も冬場の沢水減少という傾向はあったが、GWが近づいても結局改善されなかった。田植えの前後には結構水を張ったり流したりという必要もあり、ポンプの増強を具体的に検討し始めたのがこのころである。
 この書き込みでいう③の方法、川の水を一時溜める水槽を設置して小型の200V自動タイプ水中ポンプを沈めて田んぼに水を配るという方法を採用した。水槽の位置を4号のあたりまで2m程度下げたことが極めて効果的だったようで、大雑把にいって揚水量は倍程度に増加した。今年の1~4月の月間降水量は100ミリ程度で、最近2年に比べて半分程度、秋までこの傾向が続くわけはないと思うけれど、非常事態への対応や代掻き・田植え後などの潅水が自由にできるのはありがたい。しかし、水についてはいろいろ悩まされたし勉強になった。