オイラーや数学の本を探しに本屋に行ったが、タイトルに書いた本に目が行き買ってきた。最近、農業に関する本は結構多く、技術以外のものも買うことがあるが、今のブームの中での上滑りなものもあるけれど、これはちょっと凄く響く本であった。一通り読んだけれど、もう一回読み直そうとしている。
 著者は熊本大学の徳野貞雄教授、専攻は地域社会学。私は、2年半前から実際に田舎に飛び込んで農業的なものを始めているが、その中で感じていることを、この先生は見事にあぶりだしていると思う。日本の農業や食生活は壊れているけれど、それは何故かどこに問題があるのかを、人間・家族などの生活という視点から指摘している。
 
ちょっと面白いと思った内容を紹介する。

  トヨ田に、ホン田に、こりゃマツ田
   おまえら、田んぼの出じゃないか
    田んぼつぶすな、罰あたり!
       熊本養正園・竹熊宣孝氏 詠(本文内から)

自動車会社が悪者だと言っているんじゃなさそうだ。産業の構造が変化し、一見人々の生活は豊かになったけれど、日本人の食の根源である田んぼは減反で減っているし、なんだか肩身の狭い存在となってしまって、それをこの人は憂いているのだろう。本当に何とかしなけりゃならないよ。私も2反だけだが、田んぼをよみがえらせた。

もう一つは帯に抜き出していた本分の一部。
都会でサラリーマンになって、夏でも冬型の格好をさせられ、満員の電車に乗せられて、水虫になりながら夜遅くまで仕事をする。仕事帰りにはそこらの居酒屋で上司の悪口を肴に酒を飲んでいる。そうした暮らしは、GDPに換算すればかなり高くなるでしょうし、確かに経済としては成立しています。
経済としては成立するかもしれないけれど、一人の人間の暮らし方としてはどうでしょう。それよりも朝早くから田んぼに出て水を見回り、朝食後、ラッシュのない道を車でスイスイ走り、転勤のない職場でそこそこ働き、休みの日は、クーラーはないけれど、日本の伝統家屋には風通しが良くて涼しいポイントがありますから、そこに寝転がって昼寝をする。そして近くの川で魚を取ったりする。こんな暮らし方が、今、個人としては理想的なのかもしれません。多くの人があこがれているようです。(本文内から)

私の場合は、仕事は農業そのものになるけれど、私のイメージとほぼ同じことをこの先生は描いていて共感を持った。一部のみ紹介したけれど、定年帰農あるいは脱サラq・卒サラして農業をやろうという人は、一度読んでみるといいと思う。