一応サラリーマンからは足を洗うのだが、それすなわち専業農家というわけではない。そもそも農業というものは、「農」を「生業」にするということであるから、農業委員会に営農計画書を出して、一応農家として認められただけではだめで、やはりそれで生活ができるような態勢を作ることは必要である。
 そのもっとも大きなポイントは、作ったものをどこにどのようにして販売していくかということにある。現在は、カミサンが横浜の家で週末明けの2日間直売所を開けて売っており、葉物や根菜などは大体その方法で販売している。保存がきくコメやイモは、これもカミサンの人脈で箱単位での販売を行っている。どちらの方法も細々としたもので、今の生産量に見合ったものという感じである。今年豊作だったイモは、ちょっと多いから来年は減らそう、などという意見が販売担当からは出ている状況だ。私としては、農業に専任するからにはいいものをできるだけ多く作って、希望する方に買ってもらいたいとの気持ちもあるけれど、今の延長では売る方のパイプが細いのである。このあたりについては、大昔に学んだことがある「マーケティング」からアプローチしてみたいと思う。
 マーケティングの4つの要素は、(1)製品、(2)価格、(3)販促、(4)販売経路である。20代の頃に習ったことだから、今は多少違っているかもしれないが。原理はそれほど変わるわけもないから、この枠組みで考えてみよう。
 
 うちの農場の売り物は、無農薬有機栽培というところにある。安全で健康な作物を作るということが最優先であり、農場の名前は「会所無農薬実践農場」とつけたし、「生き物と共に作るコメと野菜」という説明までわざわざ付けた。だから、(1)製品自体の特性としてこのことは売り物になると考えている。
 価格については、これ自体を売るための要素にしようとは、今のところあまり考えていない。世の中の値段はリサーチしているが、それよりは安く提供しようというのが基本的な方針である。もっとも、単価は基本的に百円のものがほとんどで、手軽に買ってもらえることに重きを置いている。イモやコメなどの保存ができ、箱で売れるものは配送料や振り込み費用が余分にかかるため、もの自体の価格を多少下げても結局高いものになるようなところがあり、悩ましいところだ。これは前の項とも関連することである。もの(製品)を気に入っていただいてそれに見合う価格をつける、逆に言えば値打ちのあるものを提供すればいいということだろう。実は、4項目のうちの(1)と(2)は、そのときそのときによく考えればいいことで、よく考えなければならないのは(3)販促、(4)販売経路なんだろうと思い始めた。
                    長くなるから一度切ろう、続く。



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