今回、農閑期旅行で泊まったホテルのことを調べてみたので記事にしてみる。前回泊まった「星野リゾート・裏磐梯ホテル」については、「裏磐梯ホテルの裏事情」という記事にまとめたことがあった。今回も、同じホテルチェーンが傾いた高級ホテルを復活させた事例である。

 まずこのホテルが建っている場所だが、熱海の市街を見下ろす山の上になっている。この場所には以前、熱海サボテン公園という施設があったらしい。これを運営していたのは熱海高原観光という会社で、実体はみその商店という土産物などを販売する(といってもそれなりの規模の)会社だったらしい。この企業は、サボテン公園だけでなく、その正門のそばから伊豆スカイライン沿いの玄岳までの延長約2.7キロのロープウエイを運行させていたようだ。たしか玄岳ドライブインというものが山の上にあったのを記憶しているが、それがロープウエイの山上駅だったことは今まで知らなかった。しかし、みその商店は、そうした過大な設備投資が祟ったのか、3年くらいで会社自体がつぶれることになったらしく、サボテン公園もロープウエイも終了となったようだ。ちなみにロープウエイは1967年開業だったらしいから潰れたのは1970年ごろということになる。そのゴンドラは121人乗りと巨大(世界最大かな)なものだったということだ。

 その後、サボテン公園の跡地にはリゾートマンションが建設されることになり(事業者はまだ判明していない)、それがどうも建設途中で加賀山代温泉の超高級旅館「百万石」に譲渡されたようで、建物は「あたみ百万石」という名称の高級ホテルとして開業となった。ただ、本家の「百万石」自体が倒産し、あたみ百万石も2010年5月に閉鎖となったらしい。この建物は、一時建物再生に特化していた「アトリウム(現在はクレディセゾングループ)」が入手し、その後星野リゾートが改修してリゾナーレ熱海として新装開店したという経緯のようだ。
 
 建物自体はおそらく築後20年程度は経過しており、外装関係はそれなりにやつれた様子である。インテリアはクライン・ダイサム・アーキテクツの設計らしいが、特に共用部分はリニューアルされており、きれいである。ただ、本当に金をかけてある裏磐梯ホテルの内外装に比べると相当見劣りがすると感じた(個人の感想)。今回泊まったのは、おそらく一番狭い部屋だと思うが、それでも60~70平米はあり、マンションの1住戸分くらいはある。もっと広いテラスつきの部屋もあるようだ。もともとがマンションとして建てられたものだから、そのように部屋も広いのだと思う。あたみの夜景など眺めながらゆったりと過ごすのは快適である。
 
 しかし、この2つのホテルはどちらもなかなかの施設であるにもかかわらず、比較的安い価格で宿泊できる。色々な事情で、当初の建設投資をそのまま回収する必要がなくなったため、サービスや食事の原価プラスαでの提供が可能になっていると思われる。まあ、我々のような年金生活者にはありがたいのである。ビュッフェスタイルが基本の食事は、それなりに工夫がなされており、がっかりさせられることはないと思う。スタッフは、色々な仕事を掛け持ちでやる少数精鋭方式のようだが、親切でよく気が付くという印象である。また、こんなところを発掘していってみたいと思う。
 

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