以前執筆依頼があったということで紹介した連載コラムについては、1~5回目のものを当BLOGの記事にしてきました。ここでは8月号分を掲載します。

以下月刊ふるさとネットワーク2014/08からの転載

タイトル:定年帰農生活はまるでテーマパーク
6:害獣との戦い
 山間部の集落では害獣の被害に悩まされていることはよく話題となるが、私の農場も例外ではない。近所同士が顔を合わせるとまずこの話題、誰のところでカボチャがサルにやられたとか、どこでイノシシが罠にかかったという具合。被害が大きいのはイノシシ、最も防ぎにくいのはサル、そのほかシカ・キョン・タヌキ・イタチ、ウサギやネズミまでいてほとんど動物園状態だ。
 購入前に仲介業者さんから「出ますよ」と言われていて認識はあったけれど、農業を始めて作物ができ始めると実害が出始め、放っておくわけにはいかなくなった。イネの苗をシカが食べたり、田んぼの土手をイノシシがミミズを狙って掘り始めてから、慌てて外回りの柵の穴をふさいだり防獣ネットや電気柵を張ったりした。しかし、一度入ったところを簡単にあきらめるような連中ではない。イノシシの被害が大きかった3年目は、前の年に600Kg穫れたコメが4分の1以下に減るという困った状況だった。
 ところがその年の冬に、不用品のパレットをあげるというありがたい話が舞い込み、これを並べて上にネットを張ったフェンスを耕地の周りに巡らすという対策を講じた。しかし、これでもう大丈夫と思ったらそれは甘かった。イノシシは諦めずに入り込み、相変わらず土手のミミズを狙って掘り返す始末。仕方なく、人感センサーをあちこちに取り付けて、ケモノが近付いたら家の中で警報が鳴るようにしておき、鳴ったらそこをめがけてロケット花火を撃つという防衛策を考え出した。イネ刈りの前の1カ月以上、私は横浜の家に帰らずに泊まり込み、警報装置の下で寝てチャイムが鳴ると飛び起きるという夜を過ごした。この間に放ったロケット花火は1,500本、その甲斐あってイノシシの被害はゼロとなった。
 という具合に、イノシシ・シカ対策は一応の成果を見ているが、現在の課題はサルに移っている。フェンスや電気柵でも完全には防げない。どうも山の上から様子をうかがっているようで、昼食で家に入ったりするとさっそくやってくるという具合である。今のところビニールハウス内には侵入して来ないこと、センサーで狙われるエリアを監視することなどが対策につながりそうで、なんとか奴らを山に押し戻したいところだが、長期戦に対する覚悟も必要かもしれない。

   この記事は田舎暮らしの総合情報誌「月刊ふるさと
   ネットワーク」のコラムとして掲載されたものです。
   この本は、田舎暮らし向け物件を扱う「ふるさと
   情報館」が発行しているもので、全国の物件情報や、
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    電話:03-3351-5601(ふるさと情報館・代表)
    HP:http://www.furusato-net.co.jp

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