以前執筆依頼があったということで紹介した連載コラムについては、1~6回目のものを当BLOGの記事にしてきました。ここでは9月号分を掲載します。今回は、文字数の関係で2回目に続くとなります。

以下月刊ふるさとネットワーク2014/09からの転載

タイトル:定年帰農生活はまるでテーマパーク
7:森の精霊と過ごした2週間(1)
 2013年2月下旬のある日、雪が残る寒い日のことだった。暗くなってから農場に到着して、いつも通り場内の見回りにでたら、田んぼの向こうの防獣用ネットに何かがぶら下っていた。ライトで照らすとフクロウである。片方の羽根が引っ掛かっており、目を閉じていてピクリとも動かず氷雨に濡れていた。家に戻って家内にも応援を頼み、段ボール箱などを持って取って返し、すぐに網を切り地面にそっとおろした。何とか生きているが、ほとんど動かない。段ボール箱に入れて家に運び込み、冷蔵庫から肉を出して箱の中にいれて明日を待つことにした。
 次の日、千葉県に電話をかけた。自然の中に置いて様子を見るようにというのだが、何しろ左の翼はブラーンと垂れ下がり、飛ぶことはおろか動くのも無理な様子であると説明、動物病院を紹介してもらい特急で訪ねる。垂れ下がった左の翼を見てレントゲンを撮ってくれたが、骨折はしておらず腱が切れている可能性もあり、ちょっと様子を見ましょうということでビタミン剤を貰うだけで帰ることに。しかし、ここで重要なアドバイスを貰った。肉は置いたままではだめ、箸などで口の中に突っ込むんですよ、と実演してもらったのである。帰宅後、県に連絡して経過を説明して当面保護することの了解を得た。そうなると落ち着き場所も必要、合板や角材でフクロウ小屋を作った。体力回復のためにはご飯が大事、カミさんが給餌係となり肉を箸で突っ込み、ビタミン剤を飲ませる。そんなことを2~3日も続けると、フクロウ君は次第に元気になってきた。だが、左の翼は依然として垂れ下がったままであった。
 山の中で農業やっているから野生動物と接することもあるが、最大限の憎しみを込めて歯向かってくるのが普通だ。しかしこのフクロウ君、居場所を移すときなどに両手で抱えるのだが、じっとして大人しい。猛禽類特有のクチバシや足もあるけれど、一度も攻撃されなかった。目が合うと、ちょっと首をかしげてまん丸の目でこちらをじーっと見つめるけれど、なぜか敵意のようなものは全く見えない。いつの間にか、ずっと昔からの友人のように思えるくらい。しかし、そんな時間はいつまでもは続かない。繁殖期の直前であり、夜中の見回りの時に、お相手と思われるフクロウが探すように飛んでいるのに出会ったこともある。帰すなら急がなければと感じた瞬間だった。(続く)

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   この記事は田舎暮らしの総合情報誌「月刊ふるさと
   ネットワーク」のコラムとして掲載されたものです。
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