農業者にとって獣害はやっかなものだが、なかでもサルについては単なる柵(電気柵でも厳しい)程度では簡単に突破されるため、一番対策が困難なものとなっている。当農園では、毎年被害を受けていたカボチャを守るために簡単なケージを作成して、完璧に被害を防ぐことができたので、その製作方法について簡単にまとめ、同様の問題を抱えている皆さんへの水平展開を図ることにした。
 
概要
 栽培期間のみ設置する簡易な仮設構造物で、園芸用ハウスに使われる鋼管を利用する。鋼管については、再利用にかぎらず他の用途への一時転用なども考慮し、購入したままか半分にカットした状態での利用を基本とする。原案では、4mと5.4m(スエジ付き)の直管パイプを使用しているが、購入店の品揃えなどと実際の計画を見比べて仕様見直しをおこなってください。

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基本ユニットは上の図のとおりです。防獣ネットのサイズから4m(2m✕2)が基本的な単位となります。4mまたは5.4mを基本として横に増やすことが可能です。

使用資材について
 園芸用鋼管は色々な規格のものがあります。当方はうちのハウスに合わせてΦ22.2mmを使いましたが、1サイズ太い25.4mmの方がしっかりするかもしれません。更に太くすると管厚も増しがっちりするはずですから、使い方によっては選択肢に入れてください。こちらでは、5.4m長のものは専門店から購入したスエジ付きのものです。4mサイズは軽トラで何とか運べるので、ホームセンター(ジョイフル本田)で買いました、こちらはスエジ無しです。スエジというのは、管の片側が細くなったもので、接合金物無しで繋ぐことができます。4mものは700円弱、5.4mものは千円程度だったと思います。
 2サイズとも存在理由があります。4mサイズは、半分の2mが防獣ネットの幅とちょうど合います。5.4mについては、半分の2.7mの材を柱として使うと、0.3~0.4m土に入れても2m程度の天井高さを確保できます。今回のケージでは、中に2mのパイプを柱とした棚を作り(二重天井として)、カボチャの空中栽培を行いました。
 管の組み立てについてはビニールハウス用のパイプクロスという金物を使います。2本のパイプを直角につなぐものです。固定力は劣るフックバンドがあると、仮止め用に便利です。
 防獣ネットには幅も色々ありますが、この場合は2m幅が便利です。2m幅50m長で5000円前後だと思います。

組み立てについて
 全てに先立ち、設置場所を測りながら決めてください。図では4m✕5.4mと書いてありますが、柱の位置は15~20cm程度内側にしてください。

1.パイプ建て方前半
 図の黄色い部分のパイプを建て、横のパイプを取り付けます。地面部分のパイプも必要です、網の下側をこれに固定しないとサルは潜って入ります。上のパイプの高さは稚樹から2m前後としてください。網を張るためです。

2.パイプ建て方後半
 青く塗った部分のパイプを載せて金物で留めます。地面部分は隙間が開かないようにしてください。

3.ネット張り(天井)
 オレンジ色の部分に天井となる網を張ります。周囲4方は紐などでしっかり留めます。屋根にサルが乗っても落ちないようにしなければなりません。

4.ネット張り(壁)
 周囲にネットを張ります、上下のパイプに紐で固定します。作業者が出入りする部分は二重張りにします。二重張り部分下側はプラ杭などで留めたくなりますが、うちにくるサルは2週間ほど通って抜き方を覚えたようです。全て紐でくくるようにした方がいいでしょう。


 カミさんは、サルからかぼちゃを守りきれたことに大満足でした。来年は倍以上に増強することになりそうです。どこにでも設置できるし、他の作物にも適用可能です。
昨年一度試作をして、今年はその結果をフィードバックして作ってみました。まだ改良点は多いと思います。これを元に作られたら、結果や感想・要改良点などをお知らせください。不明な点があれば問い合わせてください。お願いします。


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