2017年終盤のシーズンオフに製作したえすかる号は、軽トラックの荷台に載せる宿泊用の小屋である。米・芋などの収穫が一段落した11月初め頃から作り始め、年末に大体完成した。2017年2月ごろに「軽トラの走行距離が150Km/月程度であることに気づき、もう少し有効活用するために軽トラキャンパーに挑戦しよう」という記事をBLOGにアップしていたが、次のシーズンオフにそれを実現したわけだ。
いつものものづくりに比べると準備は十分とはいえず、例えば図面などもちゃんと書かなかったので、あまり効率的ではなかったが、あれこれ工夫したり考えながらやるのはとても楽しい作業だった。かかった期間は2ヶ月弱だったが、横浜に行っているときは作業が中断するし、農作業もやることがあったから、正味は1ヶ月前後というところだろう。
平面的には2m×1.3m、高さ1.7m弱と、居住空間としては最低限に近いが、一応電気については充実させており、100Wソーラーパネルを2枚屋根に載せ、更に大型バッテリーとポータブル電源を装備してあり、外部から電気を補充することなく、ある程度の生活はできるレベルにしてある。仕事柄、春から秋まではなかなか使う余裕がなく冬を中心とした使用形態になりそうだ。
製作費については、終盤にBLOGで30万円くらいと書いたが、その後あれこれ増えたので40万円くらいになったと思われる。そのうちに整理してみよう。
製作プロセスについては、写真で示しながらまとめてみる。
1.架台設置
荷台にえすかる号を積んだままでは、軽トラとしては使えない。使わないときに降ろす台は必需品である。また、載せ替えが容易であることも重要。仮設用単管パイプを使ったが、強度や作り直しなどいろいろな点で良い選択だったと感じている。ただ、載せ替えについてはもう少し工夫の余地はありそう。
2.計画
全く考えないでやったわけではなく、スケッチなどであれこれ検討した。雰囲気はそのままできているが、苦労したのは細かい部分であった。大きな点では、載せ替えのときにどこで受けるかが検討不十分で、ハウス側の受け金物の取り付けには苦労した。
3.材料の調達
木材関係は基本的にホームセンターだった。最初のロットはスーパービバホームちはら台店。金物などはいろいろ、カインズの市原店が多かったかな。ソーラー関連など設備関係はアマゾンが多い、基本通販。ハウス組み立ては、架台上だったり軽トラ上だったりしたが、長物を買うときには軽トラで行かざるを得ず、途中の状態のハウスを積んだまま走ったこともあった。
4.床と天井パネル
床と天井は垂木材を挟んで合板を2枚合わせる構造とした。天井は4mmが2枚、床は9mmと4mmが1枚ずつ。天井は耐水ベニヤとしなかったので、あとからペンキを2回塗った。1回目は油性防腐・防水塗料。2回目は水性ながら防水・遮熱塗料だった。天井は、それでも重くて二人では限界、厚いベニヤだったら上がらなかったかも。
5.フレーム
基本フレームはSPF材(2×4)を利用。接合部は、シンプソンなどの金物もあるが使わずにネジ釘(コースレッド)を使って留めている。ほとんどノコギリの手挽きだからこのあたりはいい加減だ。筋交いを使ったらという指摘も頂いたが、二重の壁で挟むため不要と判断した。実際のところ、ジャッキで上げ下げするときは三ヶ所でも保持できるほど剛性は高い(今のところ)。それと、載せ替え時には柱に付けた単管用クランプ(4ヶ所)で支える必要が有るため、柱と土台部分の補強には神経を使った。
6.外壁
外壁は杉の相じゃくり板を使った。塗装は木目を活かせる防腐剤のみにとどめてあり、経年変化でシブくなることをねらっている。当初は継ぎ目に防水テープを貼ることも考えたが、雨が降ったときでも漏水はそれほど目立たなかったので、何もしていない。内側には耐水ベニヤを貼るので、防水はそちらに任せるという考え方だ。内壁は塗装仕上のつもりだったが、かなりバチっていて隙間も多かったので壁紙を貼った。(あとで雨漏りで苦労するが、これは相じゃくり板の縦目地からの漏水だった。防水テープで対策した)
7.外装
外壁塗装については6で触れた。建具は基本的に自作だった。窓はアクリル板を使用したが、開閉可能なものは隙間があるので空気遮断は無理、窓全体を内側から覆う断熱遮光パネルをカミさんに作ってもらい、就寝時はそれを取り付けている。ドアは角材と薄ベニヤで製作、鍵の調整が結構厄介だった。
8.内部造作
50cm幅の物入れを作り、この天板を60cm幅にしてベットとして使う。ベッドは60cm幅の折りたたみ型を買ってあり、2名で使う場合はこれも使うが、足の踏み場もない状態になりそうだ。軽トラのキャビン上部は高さ60cm程度の物入れにしてある。このうち半分は電気関係の機器、残りはマットや寝袋などの収納に使っている。(完成後、二人で車中泊の場合は、一人は床に寝ることになった。実は幅の関係で床のほうが快適)
9.換気ガラリ
物入れの後部には充電時に水素ガスが出る鉛バッテリーとポータブルトイレを置いてある。この部分は物入れの他の部分とは仕切ってあり、換気用のガラリをつけている。
10.電気設備
屋根にはソーラーパネル(100W)を2枚載せてある。これはMPPT方式のコントローラーで制御して出力を次のアイソレーターに送っている。アイソレーターは、ソーラーと車の(メイン)バッテリーから来る電気を使ってサブバッテリー(115Ah≒1200Wh)を充電する。このバッテリーは、井戸汲み上げなどに使っている既存システムで使っていたもので、劣化している可能性もあるため、通常の利用はリチウムイオンのポータブルバッテリー(434Wh)からとしている。昼間はアイソレーターからの12∨出力をインバーターに入れ、それからポータブルバッテリーを充電している。
今のところ、ポータブルバッテリーの出力で電気毛布(弱)を使うと、一晩で6割位消費しているようだ。老人にとって電気毛布はありがたい。2018年12月:ポータブルバッテリーをもう1台追加)。2019年7月、anker powerhouse もう一台追加、盤石の構え。
というようなところが解説付きの製作プロセスだ。あとは、随時気がついたことを書いていくことにしよう。質問等あればコメントしてください。
個別項目説明
初代台車キャリイ(現在は農作業用車)で最初のテスト使用
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後輪の板バネは大丈夫ですか?
駐車時や車中泊時は車体やタイヤへの荷重を低減すべく“アウトリガー”もどきを装備した方がいいのではないでしょうか?
また、運転時のカーブは重心位置を考えて低速走行をお願いしますね。
老婆心いや老爺心から余計なことを申しました。