10年目の農業は、1ヶ月以上も天日干しのイネを人質に取られ、かなり難航している。が、そのうちなんとかなるだろう。考えてみれば、自然が相手だからこちらの期待通りにはならないほうが当たり前かもしれない。10年間は、そのような想定外の出来事を片付けながら、なかなか楽しく過ごしてきたように思い出せる。自分で言うのもおかしい気もするが、定年後の過ごし方としてはかなりうまく行っていると思っている。10年という一区切りの時期に来て、それはなぜだろうかと考えていたのだが、マイクロではあるものの農業をやり、作ったものを販売するというところまで含め、新しい仕事を始めたということがその理由の最大のものだと考えている。

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    出来上がったばかりの田んぼの畦道を歩く私(2009/05):平瀬拓撮影

 2009年の2月に入植して田んぼと畑作りから始めたが、最初に売らなければと思ったのは、自分で作ったものではない、タケノコが山程採れたからだった。それからいろいろな山菜、自分で植えたジャガイモができ、作物のローテーションがだんだんできていったのだった。そんな中で一つの転機があった。2012年4月にテレビ朝日の「人生の楽園」に出たことだった。ほとんどのことは自分で考え片付けてきたが、こういうメディアに取り上げられるというのはレベルの違うインパクトが有る。その結果、横浜の家の周囲ではうちの小さな直売所が結構脚光を浴びた。そしてそのときにメールを出して注文を受け取り置きをするシステムが出来上がり、現在まで安定したお客さんとしてつながっている。それともう一つ重要なこと、取材のときに加わってくれたBLOG仲間を通じて毎週出品してくれる提携農家ができたことだ。売るものと売り先の柱がそこで固まったわけだ。

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    うちの山から見下ろした農場(2009/05)

 いつもの年ならイネ刈りから1週間、長くても2週間で新米ができるのだが、今年は1ヶ月経ってもまだ天日干し中だ。お客さんからはずいぶん催促が来ている。申し訳ないことだが、実はこれが嬉しい。やはり期待されているのはありがたいことなのだ。自分たちのやっている仕事が、ささやかではあるが社会に受け入れられていること、その対価として売り上げたお金がいただけること、これこそ生業(なりわい)というものではないかと思う。今年の暮には70歳となるが、幸いこの仕事に定年はない。車の運転ができなくなれば続けられないだろうが、それまで元気に続けていきたいものである。
 

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