1220本牧本

 近所の郵便局の書棚にこんな本を見つけ、窓口の用が済むまでパラパラっと読んでみた。本牧とは、横浜市中区の一角にある街で、なかなか不思議なロケーションが生み出した個性的なところである。昔は、横浜に済む外人相手の花街的な場所であり、また牛乳を供給する牧場なども多かった。戦後は米軍がかなりのエリアを接収して居留地を作っており、その外郭の街でもあった。ゴールデンカップなんていう店もあったな。まあ、横浜らしい街と言っていいだろう。うちの直売所(横浜の家)があるのは正式な本牧(昔の本牧村)ではなく隣のエリア(昔の根岸村)だが、大学に入学した頃から54年も住んでいるから、本牧も庭のようなものかもしれない。娘や息子は生まれたときから住んでいるから、もっと身近なんだろうと思う。眼科開院のときに作ったパンフでは、院長(娘)が「生まれ育った街で開業して地域の役に立ちたい」と書いていたから、この本牧本はぜひとも手に入れ、クリニックの書棚に入れなければならないと思った。
 うちに帰ってからさっそくネットで調べたところ、第4地区連合町内会(うちは第3地区)の有志の方たちがまとめた自費出版的なものと判明した。更に調べると、「HOMMOKU BASE」というサイトに、1年前の記事だが在庫ありと書いてあった。すぐに電話して「ありますよー」ということで出かけていった。電話の相手は本牧1丁目にある呉服屋さんのご主人で、どうやら地域の商店会の事務局もやっているらしかった。このエリアで育った娘がもとまちユニオンで眼科を始めたことや、私は2箇所居住で百姓もやっていることなどを話し、いろいろな話題で盛り上がった。
 この「本牧本」だが、本牧というエリアの過去から最近までのいろいろな話題が収めてある。表紙は、元町から本牧に抜けるトンネルで、私が住み始めた頃は道路用1本と市電用1本が並んで口を開けており、トンネルの中は夏でも涼しくて、残業帰りのときは前の窓から流れ込む空気が気持ちよかった、という記憶がある。いろいろな店のエピソードも収めてあり、行きつけの「華香亭」も紹介されていた。時々注文する「バンメン」は華香亭がルーツではないかと書いてあったが、私も同感だ。
 ということで、横浜の地元の話題にしばし包まれていた。価格500円のこの本を4冊購入、うちで1冊、娘と息子に1冊ずつ、もちろん医院にも1冊置くことにした。

にほんブログ村 ライフスタイルブログ 定年後の暮らしへ
にほんブログ村
にほんブログ村 ライフスタイルブログへ
にほんブログ村
  ブログ人気ランキングに参加しています。一日一回バナークリックで投票してください、お願いします。