前の記事から2年後である。この間に3.3万キロから10万キロまで走行距離を増やしているが、その間私は勤務先の本社企画部門(参謀本部)から現場(第一線)に異動になっている。当時陸の孤島だった臨海副都心の立ち上がり時期の現場を担当していたので、通勤に使わざるを得ない(クスッ!)ので、月3000キロ以上走っていたらしい。当時は中間管理職だったが、よくまあ上司たちもこんな車での出勤を許していたものだ。直属上司などはよく助手席に乗せていたことがあるが、ずっとあとになってご自身もオープンに乗っていたから、結構気に入っていたに違いない。

0101ロードスター3

93-04-18 18:46:02 SMRT8001 くるまたちの四季 ロードスター10マンキロ


89年の9月、ロードスターの国内発売と同時に手に入れた私のくるまは、先週の始めに10万キロを走り抜いた。とはいっても、20万キロ程度は走るつもりだから、これでお役御免ではない。

しかし、大したくるまだと最近つくづく思うことがある。大体のところ、この種のくるまはひ弱である。以前乗っていた英国のMGなどは、毎月故障してほとんど月給に近い金額を吸い取っていたし、私が買おうと考えているやはり英国のやつも、修理工場との往復しか走らない、などという悲惨な例もあるらしい。国産車だから当然と言えばそれまでだが、ロードスターは丈夫である。僻地に勤務している私は、会社に届をだして通勤に使っているが、当たり前にこういう使い方が出来る。低く小さいくるまであり乗り心地も堅めだから、さぞかし疲れると思われるかも知れないが、そんなことはない。アクセル・ステアリング・ブレーキの反応は小気味良く、思ったとおりに動くのである。こういうくるまこそ疲れないのです。

スポーツカーと呼ばれる範疇に入るものに乗る場合は、少々ストイックな覚悟が必要であった。冷たい雨の降る暗い道で乏しい懐中電灯の明りを頼りに、針金やガムテープなどを使って応急修理をすることなど当たり前。むしろこういうことがスポーツカー乗りの勲章のようなものであった。26年ほど前からくるまとの生活を重ねている私にとってこれは共感を覚えることだが、ロードスターに乗ってから、多少違う考え方になりつつある。いつでも思い立ったときに乗れて、常にベストコンディションにあるということはやはり重要なことである。もうこうなったら腐るまで乗ってみようという気持ちに傾きつつある。

とはいっても、地球を2周半分走ったのだから、何もないわけではなかった。一度サーモスタットをやられ、高速道路上で立往生したということはあった。それ以外は、ほとんど問題はなかったといっても良い。もっとも、ブレーキパッド・クラッチディスク・タイミングベルト・ショックなど、劣化があり得るものについては、予防的に交換している。今回の整備では2セット目のショックアブソーバー交換を盛り込んだ。今回はかってない大整備でかなり期待をしていたのだが、やはりオープンカーの宿命でボディ全体の剛性低下は隠すことが出来ず、足廻りがしっかりした分目立つようになってしまったところもある。が、これも毎日100キロ平均を走破するという極めて厳しい目でみればの話で、基本的には思ったとおりの挙動が可能な足になった。だが、次はいよいよロールバーの出番のようである。

買ったときは、次のくるままでのつなぎというような気持ちもあった。だが、乗れば乗るほど次のくるまに替えるという気持ちが薄れてきつつある。聞くところによれば、昨年末までに25万台ほど生産したそうだし、たしかに街の情景の中で、どこにでもいるのが当たり前という感じになってきた。欲しいと思っている方はいらっしゃいませんか。確かに二人しか乗れず、荷物も積めない。だが、それが現実に制約となることは結構少ないものです。このくるまがいつまで生産されるかは判らないが、おそらくこれより実用的にも優れたスポーツカーは世の中には現れないといっても良いと思う。是非購入されることをお勧めします。


引用ここまで

 今後の引用記事に出てくるかもしれないが、マツダスピードというマツダのレース担当部門が臨海副都心から近い月島にあったので、ボーナスもらうとそこに持ち込んで、何分の1かをつぎ込むということになっていた。いつもの時代もくるまとは近い生活を送っていたが、考えてみると一番身近だった時期はどうやらこの頃だったようだ。
 10万キロ乗ると、そろそろ乗り換えを考えるものだが、当時の私にはまだまだそのつもりもないようだ。いろいろ乗ったけれど、気楽に乗れるスポーツカーと言えば、やはりこれだったなあ。
                これにはまだ続きがあります。



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