定年後・田舎作って・コメ野菜

定年に到達した2008年末、房総半島大多喜町に山と耕作可能地が揃った素材を購入し、2009年初めから畑と田んぼを作り、半田舎暮らしとほとんど経験がなかった農業を始めた。2010年には農業従事者として認められ、農地も自己所有となる。更にご近所の畑を借り、規模を拡大して農家の仕事にあたっている。コメも野菜もやっており、週末農業の限界も感じていたが、2011年末に40年続けたサラリーマンを辞め、専業農家に脱皮した。穫れた作物は横浜の家の玄関先で販売、配達もやっていたが、古希を迎えたこともあり、2019年春に毎週の直売をやめた。不定期の直売と宅配便利用のコメやイモ類の販売に移行している。

2009年09月

田んぼの南北問題には原因があった

 当家の田んぼでは南北問題が発生していた。1~3号の田んぼでは南半分の稲が北半分に比べて元気がないのである。もう一つの育ちがばらつく現象は1号と2号の水口そばの稲の発育不良で、これは沢水の水温が低いと原因ははっきりしていたが、南北問題はちょっと理由がわからなかった。緩やかな北斜面だから、日当たりだろうかなどと考えていたところだった。

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 先ほど、東京駅の地下ホームで横須賀線の始発を待つ長い待ち時間にこのことを考えていて、もしかしたらと思い当たることがあった。田んぼのエリアは南から北に向かう斜面だったので、南側を削って北側に盛るという基本的な作り方をしている。このため、南側はユンボのバケットや排土板で土を削っている。当然、それまで生えていた草を含めて削って北側に盛ったのだった。だから南側では昔の耕盤である粘土まで出てきたところもある。それ故永く地下にあって養分がほとんどない土が田んぼの底になっているのではないだろうか。その後耕耘したり代掻きもしたから少しは混ざったかもしれないが、そんなわけで南側の養分がより少なかったのだろう。

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 1号田んぼの西側はもっとも元気がない。それほどひどかったとは思えない先日の台風の風でかなり倒れてしまったが、実はこの付近もレベルが相当高くてせっせと削ったエリアだった。これだけではちょっと説明力が弱いかも知れないが、実はもう一つ確かに見える証拠がある。4号田んぼは昔とあまりレベル的な変化がなく、今回の造成でもあまり土の移動は多くなかった。ここの作柄は1~3号に比べてかなり良さそうなのである。漠然と田植機で植えたからと考えていたが、実際は土を削っていなかったところにあるんじゃないかと思う。そういえば、そのあたりにはススキがかなり生えており、土に鋤込んだような記憶もある。
 ということで、来年に向けては堆肥や稲わらなどを秋から撒いておき、地力をつけておくことが必要だ。それと冷水対策だが、これはまた別項で検討しよう。
 

直売所シフト

 横浜の本拠地で開いている直売所はおかげさまでかなり好評である。しかし、そのご要望に応えられる「もの」自体が少なく、開けて30分で完売というような状態が続いている。開店前にピンポーンと催促されることもあるようで、担当の勘定奉行兼畑奉行もうれしい悲鳴を上げている状況だ。
 今頃の品物不足は、キュウリ・ナスなどの夏野菜は週末ごとの収穫では商品として扱えないものが増えて無理ではないかと判断し、作付け量を最低限にしたところにあったが、いま穫れている遅めに植えた地這いキュウリの状況を見る限りそんなこともなく、来年は夏野菜もメインメニューに加えなければと考えている。
 さてこれから先の予定だが、少しまとまった量が出てくるものとしてはサツマイモがある。といっても160キロを収穫したジャガイモほどではないだろう。あとは落花生だが、シカの食害で期待の3分の1程度になってしまっている。米は、これも期待をかなり下回る収穫となりそうで、来年への反省事項は少なくない。まあ、頭で考えるほど農業は甘くないということだ。
 といった状況なので、葉ものを急遽できるだけ植えることを検討中。特にチンゲンサイなどは2ヶ月弱で収穫することも可能。ほかにほうれん草やレタス、白菜といったところか。大根やカブも12月頃出せると思うので、今週末から5連休にかけての植え付けを考えている。
 あとはオフの田んぼからの収穫である。一応2枚は冬も水を張るが、残りの2枚は水を落として何かを植える予定。時期から考えてブロッコリーとか葉菜類くらいだろうかと思案中。水のところでも書いたが、3枚に減らして周年畑とする方がいいという意見もあるが、私としてはせっかくゼロから田んぼを作ったし設備投資も進めたし、来年はもち米も増やしてがんばりたい気持ちがあるから、シーズンオフの有効活用を成功させたいところだ。

田んぼ用水の整理

 先週末(9/5)1号田んぼへの給水を停止した。このあと順次米の熟し度合いをみながらそれぞれの田んぼへの給水も止めていくことになる。そういう状況から今シーズンの川からの用水は停止した。来年度の水管理の参考となるよう、今までの水について整理してみる。
 
 なんといっても、毎日24時間、途絶えることなく沢から流れてくる水はありがたかった。1日の流量は25立米程度から120立米までかなりの格差はあったが、雨が降らない日が長期間続いても涸れることはなかった。平均してみると1.5立米/時つまり36立米/日程度だったと考えている。田植え後からこれまでの4ヶ月で考えれば、4400立米、4400トンという大変な量になる。
 一方川からの水の量だが、4月からの累計で100時間くらいポンプを回したはずだ。ポンプの揚水量は5.4立米/時なので、川水の総量は540立米内外である。ということから、沢水と川水の使用量を大掴みでみると9:1位の比率であった。当家の米は、会所高原に降った雨が流れ出た水を集めた沢が育てた、といっていいだろう。もっとも、川も麻綿原高原から会所にかけての養老渓谷に流れ込む水だからあまり変わりはなさそうだが。
 
 このように、沢水でほとんど賄えることを考えると、4枚ある田んぼのうちの1枚を畑として使えば、川水も不要となる可能性がある。沢水自体、量のばらつきはあるのだが、吸水口やパイプが詰まったり、堰が漏れたりといった障害もかなりあった。これを改善することが沢水のみの運用には必要条件である。

農事用電力・終了

 土曜日の日に思いついて東京電力に電話をした。稲刈りも近づく中で沢水も順調だし、農事用電力を止めたいということを申し入れた。はいわかりましたという回答で、一度検針にいき、基本料金は日割りで精算します、ということだった。
 昨日家に電話が入ったらしい。よく調べたら最初の契約時に4月から8月末の契約期間となっていたので、それで問題がなければ8月末日で終了にいたしますというもので、じゃあ、そうして下さいということで一段落。農事用電力は、基本料金も従量料金も安い上に、期間を必要な間に限ることができるため、米農家にはメリットがあるが、このように電話でも開閉や相談ができるので、ありがたい。
 
 3KW契約の当家の場合、月々の基本料金は1500円程度。沢水が基本的に好調だったため、従量分はトータルでも2000円(150時間位)程度しか使っていないと思う。降水量は

   2月  3月  4月  5月  6月  7月  8月
   197  125  208 285  206   83 283㎜

こんな感じで推移してきたので、特に少なかった7月に10日程度(3時間=50円/日)使ったのが目立ったところ、あとはもっと少ない。今回は干上がったりしないように安全側で川水を揚げたが、月間200㎜を超せば川水を揚げる必要はほとんどないという感じだろうか。大多喜町あたりの平均降水量は大体1800㎜/年ということだから、毎年こうなるとは思えないが。

稲刈りの準備・ハードウエア編

 1号田んぼを落水したので、稲刈りの具体的なスケジュールが動き出す。すでに書いたが、乾燥機ともみすり機はご近所の不要なものをいただけることになり、低圧動力の引き込みを含め、準備を進めている。そのほかに、バインダー(イネを刈って束ねる機械)とハーベスター(イネの束から籾を分けて取り出す機械)については、あることはあるのだがかなり古く、ハーベスターの方は運搬車となって第2の人生を歩み始めている。ということから農機具屋さんから中古機械の情報があり、次の週末には現物を持ってきてもらうことになった。世の中では、コンバインという機械(刈り取りながら籾を直接取り分けるもの)に移行しており、バインダー+ハーベスターという組み合わせをわざわざ求める物好きは少数派らしく、オークションや中古農機具情報ネットでは格安のものも多いが、リーズナブルな価格であればいつも面倒をみてくれる農機具屋さんから購入しようと考えている。天日干しをしてじっくり作るという方法にはこだわろうと思うのでこの組み合わせだが、こだわって手で植えた1~3号より、田植機が勝手に植えた4号の方が成績が良さそうで、拘りにこだわるのも考えものかもしれないが。

お客さん(2) 田舎暮らし・ご近所さん

 日曜日に、BLOGをみてやってきましたというお客さんがこられた。これは珍しいということで色々お話をさせてもらったが、同じ会所(1.5キロほど北)に東京の板橋から通っていて、農的生活をやっておられる方だった。それに、当家の先々代さんが売りに出した9年前に購入を検討されたが、決める前に先代さんが手付けを入れてしまったこと、先々代さんとは何度もあって話を聞いたりしていたことが判明。BLOGについては、息子さんが「大多喜町会所」というキーワードで見つけたらしい。
 あとでお宅の方にもお邪魔したが、まだ田んぼあとはそのままで畑は少々だったが、当家と同様に敷地の下を川が流れているが、川までの斜面は杉や竹の伐採が進んですっきりしていて、薄暗い杉林や竹藪のままの当家とはずいぶん違った雰囲気だった。
 この前のブドウ園主や今回のご近所さんなど、仲間が次第に増えつつあるようで、なかなかおもしろい展開になってきたと思う。

お客さんが来られた(1)猟友会

 土曜日の晩に地域の猟友会の人から電話が入った。入会しませんか、との誘いである。とりあえず日曜日の朝に説明に来てもらえることになった。こられた方は10キロくらい北の、老川というところの材木屋の旦那だった。大多喜町に猟友会があり、そこの老川支部の支部長さんらしい。狩猟というものは結構金のかかるもののようで、狩猟税や保険、会費をあわせると年間に4万円程度が要るらしい。とりあえず、当方が狩猟免許を取得したのは敷地内に入ってくる害獣を駆除するためであり、狩猟そのものが目的ではないことや、週末農業で手一杯で猟友会の活動にはなかなか参加できないことを話すと、それでは特に入会されることもありませんね、気をつけてやってくださいということになった。
 ただ、先週からワナを仕掛けたが、イノシシがかかった場合にはとどめを刺したり処分することなど、不安があることを話したら、何でも相談してくださいという返事。そのうち定住して、銃をやるようなことになれば仲間入りしよう。

イノシシの痕跡

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  左側は夜な夜なシカが飛び回る田んぼ跡

 敷地内には今のところイノシシは入っていないが、ご近所さんから「この辺ではイノシシが我が物顔で暴れ回っているよ」、と聞いたので確認してみた。写真は隣地のあたりの町道脇である。通る車は限られているもののれっきとした町道だ、そのすぐ脇をイノシシが掘り返している。ネットフェンスの手前だけで、向こう側の敷地部分には入っていないようだが、隣地は単なる草原で何も耕作していないから、敷地に侵入したいというわけではないのかも知れない。
 ご近所さんの話では、冬に入る前に栄養をつけようということで、秋にはとにかく活発に荒らし回るんだそうだ。当家ではサツマイモや里芋も一応順調に育っていることから、今回は道路側の守りを固めて帰ってきた。

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  このように掘り返された跡が帯状に続いている

台風の痕

 心配していた台風の影響は多少あった。イネは、全体の1割程度が倒れていた。一部は水につかるほどであった。よくよく観察してみると、速報の通り穂が重いから倒れたというよりも根がちゃんと張っていないことが原因のようである。田植機で適当に植えた4号田んぼは、ギッチリ植わっているため問題なし。どうやら、台風のせいというよりはイネの作り方をじっくり検討しなければならないようだ。苗の育て方や1本植え、肥料のことなど、いろいろな反省事項がある。

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 その他は、柵が一部壊れていた。トタンが飛んだり、ポールがぐらぐらになって傾いたりといったところだ。まあ、電気柵は生きていたので害獣が入った様子はないようだ。ワナは、全く変化無し。
 
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1号落水

 1号田んぼのイネたちは黄金色に変化してきているので、水を落とすことにした。冷たい沢水が入る正面の一部はまだ青みがかってはいるが、実際の刈り取りは2週間後の5連休以降の予定とするため、決定。
 沢水が流れ込む1号の前の池から2号の方に流出する水路を掘り、1号から戻ってくる水も含めて2号に流すようにした。先ほど帰りがけに池をのぞいてきたが、アブラハヤ、ドジョウ、エビなどが池に戻っていた。すべてが戻っているわけではないかも知れないが、一応目論見通りである。

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    上の1号田んぼから戻る水は、右上のクレソン畑(水路)を通り2号へ流れる。

 なお、1号田んぼに防鳥ネットを張った。ただ、一時期いつもいた雀たちがこのところ姿を見せない。もっとうまい米の田んぼがどこかにあるんじゃないだろうか。
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  実は1号の半分だけ。網をほぐして張るのが意外に難しく、1枚で力尽きた。

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  ドジョウは結構大きかった。水奉行が以前放流したものだと思う

横浜直売所予定(9/7)

台風が過ぎ去って、すっかり秋めいてきた会所農場から先ほど帰りました。
明日は予定通り直売所を開きます。10時前くらいのスタート予定です。
品物は、
キュウリ、ナス、3尺ささげ、落花生、オクラ、ピーマン、モロヘイヤ
いずれもそれほど数はありませんので、お早めにどうぞ。

会所09/05

 台風の影響はゼロではなかった。稲は若干倒れていた。穂が重いから倒伏ということではなく、育ちが悪くて穂が細かったり、根が十分に張っていないからといった理由で倒れているものが多かった。少し手で押し込んでまっすぐに立て直したが、そう簡単にすべて直るわけではない。明日、続きをやる。
 ワナにはかかっていなかった。ちょっと工夫がいるかもしれない。電気柵は順調だったようだ。カマキリが感電死していた。
 1号田んぼの水を落とし始めた。稲刈りは5連休から開始となる。
 簡単だが一日の整理。

今週末の作業(9/4)

 先週初めの台風襲来もあり、今回は行ってみなければわからないということが多い。一番気になることはイネが倒れていないか、次いで畦が崩れていないか、柵が壊れていないか、害獣が侵入していないか、という具合に芋の蔓を引っ張るように心配なことが浮上してくる。そうそう、ワナに獲物がかかっていないかどうかということもあった。
 それ以外でやらなければならないと思っているのは、水源地の泥かき・電気柵ワイヤー追加・(イネの育ち具合により)配水経路変更等がある。ということで、今週は予期せぬ事態への対応に追われる可能性が高い。

高速通行料とガソリン代が変わる

 政権交代のおかげで、高速料金とガソリン代が安くなる見通しが出てきた。なにしろ、毎週往復200キロくらいの移動を繰り返しているから、その合計額は毎週5000円程度になっている。高速代が3分の1、ガソリン代が4分の3になると、結局半分程度になるからかなり大きい。年間計算で30万円→15万円である。ハイブリッドでガソリン代を絞ろうという考えもなきにしもあらずだったが、こういう状況ではわざわざ高めの新車に換える必要はない。
 これは政権交代とは関係がないが、来年になると圏央道が茂原の手前まで延伸する。当家の場合、一つ手前の市原南ICまで利用すると時間短縮が期待できる。もしかすると、横浜→会所1時間程度ということも無理ではないと思う。(今は最短1時間10分)まあ、だんだん歳もとるので、のんびり走ることにしようとは思っているが。
 

眼科検診

 最近視力が落ちたような気がするので、高校時代の友人の眼科医に頼んで診てもらった。高校の卒業以来40年以上ほとんど接触していなかったが、昨年暮れだったかに小人数の同期会があり、そこで久しぶりにあったのだった。ずっと大学病院にいた彼は、今は浅草雷門で開業しているが、どうやら網膜手術の大家らしく、朝の9時に予約をしていってみると、大勢の患者さんたちで溢れていた。お年寄りもきわめて多く、手術でそのまま帰る人もいるせいか、付き添いの人がいる場合の方が多いようだった。そういえば、この間兵庫8区で当選した人(本人)もいた。
 眼科に行くのは2回目だが、患者さんも多いしスタッフも多い。色々な機械(眼底写真に始まり、網膜断面とかその他)に順番に座らせられる。そんな検査を含め2回じっくり診てもらったが、角膜もその他もほとんど問題なしという結果。何となく視力が落ちたという話を蒸し返すのだが、加齢現象で多少は仕方がないということらしい。前に、片目は黄斑変性症という診断結果が出たこともあったのだが、それも軽微なものらしい。じゃ、目薬でも出しておくか、ということで終了。
 しかし、診察用の瞳孔を開く目薬はクリニックを出てもどんどん効き目が拡大。世の中は全て露出オーバーの写真のように白く見える。メガネに引っかけるサングラスを買って会社に戻ったが、夕方までそんな状況が続いた。週末は炎天下で仕事をすることが多いため、サングラスぐらいはすべきと思っていたがなかなか面倒くさいので、変色レンズのメガネでも作ろうかと考えている。

街の片隅で「自動車商會」

 三丁目の夕陽に出てきたような自動車屋を見つけた。もしかしたらそのモデルじゃないかと思うくらい、昔の雰囲気が出ている。上の欠落しているロゴは「自転車」という文字のように見える。日本のモータリゼーションの進化に伴い、自転車屋がオートバイ屋になり、そして自動車屋になったという経歴がうかがえるが、まだまだ自転車のパンク直しなどがメインという雰囲気も消えていない。
 この自転車屋→バイク屋→自動車屋というパターンは別に珍しいものではない。私の田舎の親戚もそうだったし、横浜でつきあっていたホンダの販売店もそんな感じだった。我々は、それこそ日本のモータリゼーションの進行と共に生きてきたようなところがあるので、こういうお店にはいたく反応してしまう。

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街の片隅で「白金三光坂下」

街を歩くとおもしろいものに気付くことがある。今日は仕事の延長で白金付近をみて歩いたんだが、三光坂下の交差点近くでこんなものを見つけた。隣のポストとそう変わらない厚み、厚めの塀のような箱に公衆便所という機能が入っているらしい。時間の関係でテストはできなかったが、同じように注目した人のHPもあって、それによると実用上は全く問題がないらしい。

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用水経路の変更について

 ちょっと整理してみた。

 1号田んぼを落水するため、1号の前池から2号に落とす水路を作る。前池はあと30cmほど深いところを作り、1号田んぼの真ん中通路に溝を掘って、そこを通して水が前池に戻るようにし、生き物を池に誘導する。1号田んぼはいつの間にか浮き草に覆われ、底が見えるのは一部の流れがあるところに限られ、様子はわからない。意外に色々棲んでいるんじゃないかな。

 2号は、当面いまの通り3号の西側に水を出す。

 3号は、東西の真ん中を畦波で遮断して東側は干すので、2号からの水は不足分を継ぎ足すだけで4号に落ちるようにする。ちょうど3号の横には川水を受ける池を作っているので、これを前池として使う。

 いままで4号は、3号から落ちる水が東側に入り西側に抜けていたが、西側に入ってそのまま抜けることになる。

 今シーズンのこのあとは切り替えを連続的にやるが、来シーズンに向けて東側に一本の水路を通し、基本的に東から水を入れるように変更する。水の出口は東(通過せず不足分のみ供給)、西(通過する、掛け流し)のどちらでの対応もできるよう工夫する。水路は入植当初に素掘りで作り、沢水を流しながら洗い場などを作っていたが、今回は塩ビパイプなどを使って、途中の浸透などを防止する。また、水路の位置については、田んぼの拡張や前池の設置があるため、屋敷側フェンスから概ね2.5mの位置とする。田んぼや池はユンボの助けが欲しいところだ。

稲刈りに向けた予定

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    これは8/22の写真

 これまでの経過を振り返ってみたが、どうも当家の稲の生育は遅れ気味である。田植えの時の苗の大きさが小さかったこと、水が深めで植えるときも深すぎたんじゃないかと思い起こしている。出穂まで100日前後と長めだった。その後もやっぱり遅めではないかと思いつつ観察しているが、3号東側半分の古代米が8月中頃、1号(コシヒカリ)がその1週間後に穂が出揃っていた。インターネットで調べると出穂してから40日とか50日で刈り取り、というような書き方であまり参考になる記事は見つかっていないが、刈り取り開始時期は9/末あたりにしようと考えている。落水は10日から2週間前ということだが、あまり水はけはよくないので9月の中頃だろう。葉の色などの変化でチェックしたいと思うが、そのあたりは調べてもはっきり確認できないので、引き続き調査中である。実際にはまだ葉も茎も黄変していないが、これから2週間程度で大きく変わるんじゃないかと予測している。

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ハザがけの準備

 参考写真を見ると、両端は3本の木材または竹を組み、途中はハの字で桁材を支えている。支柱の間隔は2間程度だろう。やはり、藪から竹を切ってきて活用することが合理的だと思う。この田んぼは1反の3分の2程度のようだが、ハザがけの延長は150m位はありそうだ。当家の田んぼは、1~3号はその半分(1反の3分の1)くらいの面積であり、単位収量も少ないとはいうものの、それぞれ50m位のものは用意する必要があるとみられる。
 害獣対策から、屋敷エリアの畑に設置することも考えたが、この量を見る限りは田んぼに設置するしかなさそうだ。柵の整備も当然だが、どのみち刈り取り前の雀対策で必要になる防鳥ネットなどでくるむといった工夫も必要だろう。場合によっては、周りを高圧線で囲う方法もあると思う。
 
 というようなことを考えていたら、勘定奉行より提案があった。田んぼエリアと屋敷エリアの間には、害獣防止用のネットフェンスが設置してある(延長は60m位だろうか)。その柵に架けて干せばいいじゃないか、というものである。これはおそらく先々代さんの頃に補助金をもらってちゃんとした業者さんに作らせたもののようだ。だから、私の作った柵と違って重い稲束を架けても大丈夫だろうし、おそらく害獣対策もしやすい。ハザがけ問題は一応解決。

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    見えにくいが、屋敷と手前の田んぼエリアとの間にネットフェンスがある、これを利用。

刈入れに向けた水の管理

 刈り取り時期が最も早いのは3号の古代米、続いては1号から4号までのコシヒカリがほぼ田植え時期の順に成熟する。刈り取りの2週間前には水を落とす必要があるということだが、おそらく2週間以上ずれている3号は真ん中に畦波でも打込むかと考えている。
 それよりも、これまで一筆書きの配水を行ってきたが、田んぼごとに水を抜く抜かないをコントロールするとなると、基本的な考え方を変える必要も出てくる。4枚のうち1枚、1号田んぼについては沢水と川水の導入位置が東西に別れていたことと、最終的には1~2号には川水を入れないことにしたため、沢水は1号を通らずに足りない分のみを補給する形になっている。水温が低い沢水の悪影響を最低限にするため、来年度はどの田んぼも1号方式として水が通過しないようにするつもりだから、それを先取りして東側の水路をきちんと造り、田んぼ毎の前池を作ってしまおうと考えている。手で掘れる池というと大きさも限られてしまうが。
 
 そうすると、今後の手順としては
 ?「3号田んぼの分割(畦波を中央部分に設置) 続いて3号東側に溝を切って更に出水口を作り、干す
 ?1号田んぼを干す
 ?2号の前池を掘り、1号からの水をここに落とす 2号への水は入れない
 ?3号の前池を掘り、2号からの水をここに落とす
 ?4号を干すのはちょっと手間がかかる、3と4号の間の通路の溝(一時期作って流していた)に流し、4号へは遮断

実際の時期は実り具合での判断だが、?の時点で3号西側のコシヒカリへの給水もストップするので、少し遅めにする必要がありそう。(3号西側基準とする)いずれにせよ、9月の下旬から刈り取り時期になる見込み。10日前には水を止める必要があることから、そろそろ具体的なスケジュールの検討をしなければ。
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